バレンタイン

「ルティア、フィオーノ、シンシア・サロン…気合が入ってるな…」 「え、………何?」 「帝都の有名なお菓子のブランドだ。」 「あぁ…さすが本場は違うな…って、これみんな!?」 「これと、これ…それもそうだな。…こっちは手作りか…」 「ブランドって…そんなに高いの?こんなに小さいのに?」 「特にフィオーノはチョコレートの専門で老舗だからな。この大きさくらいだと2000バームという所か」 「え…ええぇ…詳しいね、アズリア。…毎年沢山貰ってるからな」 「帝都育ちだからだ!」 「てか、甘いものやっぱり好きだよね!?かわいいなぁvv」 「ううう煩い!!」 「それにしても困っちゃうね。こんなに高いもの貰ってもさ…良いお返しなんてできないし」 「別に、値段だけが気持ちではない。お前なりに返礼すればいいさ」 「…でも」 「これだけ良いもの贈ってくるということは、少なからず想いがあるということ。  …まぁ、生憎この学校はお前の生活水準とは大きくかけ離れた"お嬢様"ばかりなんだ。  彼女達にとっては"普通"の値段なのかもしれない。」 「う、うん…」 「…………」 「…………あのさ。」 「………なんだ」 「アズリアからは…無いの…?」 「欲しいのか?」 「そりゃあ!」 「別にいらないだろ、それだけあれば。」 「そうじゃ、なくて…俺は、アズリアのが欲しいわけで…」 「…………」 「………怒ってる…?」 「何故?」 「えと、…他の子からチョコ貰っちゃったから…」 「お前のことだ。断りきれなかったんだろう?」 「そうだけど…」 「ここで、今お前にわたしがチョコを渡したとして。」 「…仮定なんだ」 「お前は、どんな礼をしてくれるんだろう。」 「…アズリア。」 「…何だ?」 「ヤキモチ?」 「何をどう聞いてたらそういう結論になる!」 「だって要するにさ、他の子と一緒は嫌ってことだろ?」 「そうじゃなくて!」 「俺にはそう聞こえたんだよ。じゃあ、アズリアはどういう意味で言ったんだ?」 「………う。」 「質問に答えよう。…君へのお礼は…」 「な!れ、レックス!!」 「いつも以上に過剰なハグとちゅー!」 「ふっざけるな!こら!」 「あ、もちろんホワイトデーにはきちんと誠意を込めたものを贈るよ!」 「お前なぁ…」 「そんなに心配しなくても、アズリアが一番で特別なんだよ。  どれだけ高価なものを贈られても、気持ちの入ったものを贈られても、それは変わらないさ。」 「…レックス」 「だからさ、君からのを頂戴。君の、気持ち。」 +++++++++ ・レックスの三点リーダの多さといったら。 ・お菓子ブランド超てけとー。アズもお嬢様だから多少知ってるよ設定。 (2013年追記)きちんと誠意を込めたのが、あのにゃんこグッズなんですね…