暑気あたりアズたん
「アイスが食べたい。バニラがいい。甘すぎないので。」 「注文が多いね…実は元気でしょ。」 「もう大丈夫だと言ってるのに、お前が部屋から出してくれないんだろ！」 「…まあ、そうだけど。でも暑気あたりなんだからさ、ゆっくり休まないと。」 「…だから、アイス。オウキーニのは、最高だぞ？」 「了解。―それ以外には？」 「今日の夕飯は冷たいパスタがいい」 「冷たいものばっかりは、駄目だよ」 「…じゃあ、イスラの好きなもので。」 「はいはい。…それだけ？」 「氷枕が欲しい」 「あ、もう溶けちゃってるね…」 「…………以上。」 「え、それだけ！？」 「…他に何がある…あ、団扇が欲しい。この間貰っただろ？」 「え、あ、うん。扇いであげるよ…て、本当にそれだけ？」 「お前が『何でも我侭言ってくれ！』とか馬鹿なこと言うから、私なりに努力をしたんだが？」 「他にさ、傍に居て欲しい！とか、頭撫でて！とか、手をぎゅっとして！とか…無い？」 「アイス。」 「むむむむむ…病気の時くらいさぁ。 俺がぶっ倒れた時は、君にずっと居て貰ってるのにさ、申し訳ないというかー…」 「それとこれは別だ。暑苦しい。アイス。」 「う…………はーい。」 「…レックス。」 「ん？」 「…アイス貰ってきたら、食べさせてくれ。」