サモコレのパーティドレスレクアズより

シャンパンを口にした彼女の顔が少し紅潮してきた。 飲みやすい分いつもより多く飲んでしまったのだろう。 重たそうに頭を下げたアズリアの手を引いて「ちょっと外に出ない?」と声を掛けると、 大した抵抗もせず細いヒールの音をさせながら自分の隣を歩き始めた。 バルコニーへの扉を開けてアズリアを促す。 一歩外へ踏み出したところに、火照った頬を夜風が打った。 一息ついたという面持ちでベンチに座り込んだ彼女に今度は手を引かれる状態になった。 そのままに隣へ腰掛ける。 繋いでいる手は解かれる気配がない。 …意識されていないのか、許されているのか。 考えあぐねて繋いだ手元に目線を落とす。 いつもは無い色が彼女の爪を桜色に染めていた。 爪の装飾に興味はないが、アズリアの指というだけで途端に可愛らしく思える。