武器交換

手渡された剣は自分が使い慣れたそれよりも細くて軽く、心許ない印象さえある。 しかし見送る彼女の後ろ姿からは眩しいほどの頼もしさばかりが溢れてくるようだった。 握った柄に残る温もりを逃がすまいと、レックスはゆっくりと指を絡めた。 刀身を持ち上げると、戦場の炎を照らし返して鈍く光る。 混乱の最中であっても凛々しさを失わないその色はまさしく彼女自身のようで。 その輝きに目を細め、込み上げる心のままレックスは唇を寄せた。 ―どうかその輝きのまま、帰ってきて。俺の隣に。